日本の医療事情・海外の医療事情
◆医療にかかるのが怖くてほとんど医者に行きません・・?
こんな駐在員・駐妻の方、多いのではないでしょうか?
◆日本だと・・
日本では当たり前のようにかかっていた医療機関。
耳垂れが出ていると思えば耳鼻科へ、皮膚に何かあれば皮膚科へ、下痢が続けば消化器科へ・・
思い立ったら専門医にその日のうちに診てもらえ、病状を事細かに医師に伝えられるでしょう。
大学病院のような大きなところでも当日枠・紹介状なしを受け付けてくれる病院だって少ないですが確かにあります。
医療は誰にでも公平に安価にかかれるもの。それが世界に名高い日本の医療制度です。
◆海外の医療事情
では、海外はというと・・・・
医療はビジネスです。
高いお金を払わなければいい医療は受けられません。
日本でタダの救急車、アメリカではとんでもない金額です。 これはこの記事の余談の項目で書いていますのでどうぞご覧ください。
たいてい駐在員が入っている保険はかなり質がよい保険です。
会社によっては駐在員は医療のお金が全部タダ!だったり、
いくらか上限があるがそれ以上は保険会社負担となる(例えば1人あたり2万円までは各自負担。それを超えた分はすべてタダ!)など。
大抵、入院すれば個室だし、予約したら順番が優先されて待たなくていいとか。
その国の人からすれば恵まれた地位にいる駐在員たち。
・・・でも!でも!
そんな利点が吹き飛ぶくらいの大変さが駐在員・駐妻たちにはあるのです!
◆駐妻の苦労
当然ながら医者は英語。
英語が苦手な駐妻の場合、
・予約も取れないので通訳の方に電話をして予約を取ってもらい、一緒に医療にかかる。
・日本語が話せるスタッフがいる病院を探す
(日本語可能とうたっておきながら、専属の通訳を予約に合わせて派遣するタイプ、看護師だけが日本人で医者は外国人。反対に医師が日本人でも、事務のスタッフは外国人で英語で問診票を書いたり、質問されたり・・・結局英語が必要だったりする)
・通訳の方の能力次第で医師との意思疎通に雲泥の差
つまり、生命の危機があってもすべて他人次第になってしまうんです。
とまぁ、病気の診察以前のことで相当な労力が生じます。
◆日本人クリニック
日本人クリニックがある国もあります。
ものすごく素晴らしい日本人クリニックのある国もありましたが、
いくつかの国の日本人クリニックはお医者さんがすごいお爺ちゃんだったり、
人柄は良くても医療の腕は・・・というところもありました。
英語ができないので仕方なくそこしかないから行くけれど・・・
重大な病気を見逃されて手遅れになったなんて話もよく聞きました。
(一度や二度ではありません。)
その先生で今では笑い話ですが、トラウマになった話が1つあるので紹介します。
子供が小さい頃の話。アレルギー検査をすることになった時です。
注射器を持つ先生の腕がパーキンソン病かのようにプルプル震えていて、ダーツのように子供の腕に注射機を刺してから、持ち替えて・・それから血管を探して皮膚の中で針をグリグリ・・・子供が大泣きで、注射にトラウマを持ったのと同時に、見ていた私もトラウマになったという・・恐怖体験をしました。今では笑い話です。
◆ホームドクター制度のメリット・デメリット
メリット
総合的に自分の身体を理解してもらって、なんでも相談できる
デメリット
まずホームドクターの紹介状をもらわなければ耳鼻科や皮膚科などの専門医にかかれない。
ホームドクターへの予約が2日後、専門医までが5日後、さらに大きな病院の専門科の予約まで3か月後なんてこともある。(悪い病気だったら進行してますし、逆に治っちゃっている場合もあります。)
子供が不調で苦しんでいても予約の日になるまでどうすることもできないママのストレスや心配、不安は本当にきついものです。
日本であれば大きな病院でも当日枠ですぐにかかれる専門の科もありますよね。大いなる違いです。
◆アメリカで救急車を呼ぶといくらだと思いますか?
余談ですが、アメリカで救急車を呼ぶといくらかご存じですか?
私は通訳付きの救急車を呼んだ事があります。
通訳付きとは名ばかりで最初のオペレーターが日本語での案内で、実際に来た救急隊員は全て現地の人です。
そんな詐欺みたいな通訳なのに、3200ドルの請求がきました。
当時のレートでざっと40万円です。
それも日本みたいに毛布をくれたり、医療行為があるわけではないんです。
40度以上の熱があり、悪寒で震える私は、毛布を貰えるようお願いしましたが、
救急隊員は申し訳なさそうに、
「申し訳ない。われわれの仕事は今の状態をそのまま医者に引き渡すことなんだ。毛布をあげて体があたたまると医師が判断を見誤るかもしれないから、何もできないんだ。」
と言い、頑として毛布はくれませんでした。
その隊員さんが申し訳なさそうにちゃんと説明してくれたので理解し、我慢しましたが、日本だと絶対毛布くれますよね。
通訳付きでない救急車は1000ドルくらいです。
こんな嘘みたいなちょろっとした日本語サービスで2000ドル以上の上乗せです。これが現実。
英語がしゃべれない外国人はこのぼったくり価格を甘んじて受けなければならないのです。
もちろん、駐在員は保険が手厚いので、全額を払う事はありません。
もしもの時は高いから・・・と躊躇せずに救急車を呼びましょう!
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